パレオ一家の日記

4年間のお肉、乳製品なしのベジタリアン生活で糖質過多になってしまい、皮膚の炎症、関節炎、アテロームなど様々なトラブルが現れ、パレオダイエットを始めたら劇的に改善。アメリカでパレオ栄養士ディプロマを取得し、家族と愛犬の健康維持を目指しています。

別れ

学生時代からずっと仲良しだった友人が逝去したと聞いてから、毎日彼女の事を考えない日はありません。

「澄明」という言葉がぴったりで、一見するとおっとりしているように見えるのですが、とても芯が強く、曲がった事は大嫌いで努力家な友人でした。

アメリカの大学を卒業してからは、世界的に有名な一流企業の日本法人に勤め、バリバリ働いていました。
それでも仕事の文句も彼女の口から聞いた事などなく、常に自分を高める為に勉強を続けていたり、セミナーやボランティアにも参加していた彼女。
本当にキラキラ輝いていました。悪い事は何一つしてきてないような人です。

それなのに、なぜこんなに早く彼女とお別れをしなくてはならなかったのか、なぜ彼女が癌という病気を患ってしまったのかと、見つかるはずもない答えをただただ毎日考えては涙していました。

彼女から病気の事を打ち明けられたのは、彼女がシアトルに出張で来ていた2017年の3月でした。2017年になってすぐに癌が見つかったそうですが、彼女は、平然と病気の事を私に打ち明けました。他人事のようにサラリと放たられた「癌」という病名に、私は、それ以上何も聞けずにいました。それに、こんなに元気に普通に話すなら、早期発見できたんだろうから絶対治るに違いないと私は勝手に思っていたのです。

彼女は、癌が見つかってから動物性食品を一切摂取しないビーガンへと食事法を変えていて、ベジタリアンだった私とその時は食事の話を色々しました。
でも、私はその頃からベジタリアン食が自分の体を健康に保てていないのではないかという疑心を募らせていたので、彼女にはきちんとお医者様や病院の管理栄養士の方に相談した方がいいのではないかと伝えました。

彼女も私も元々食べる事が大好きで、学生時代にランチやお茶したり、一緒に旅行した時や我が家に滞在してくれた時など、一緒にたくさん美味しい物を食べました。

去年の夏、日本へ里帰りした時には、彼女の治療が始まっていて、手術をしたばかりで会う事ができませんでした。
そして、3月に再びシアトルへ出張で来ると聞いていたので、経過も順調なんだろうと思っていました。しかし、3月に体調があまりよくなくて会社も休んでいるので来られそうにないと連絡がありました。でも、元気になったら5月に旅行で遊びに行きたいと言っていました。

今年の夏の里帰り中。
私の子供たちにも会いたいので、私の実家まで来てくれると言ってくれていましたが、再入院になってしまったと連絡があり、私が病院へ伺わせてもらう事に。
そして、もう一人の友人と会いに行って来ました。

元々細かった彼女は、更に痩せてしまっていましたが、笑顔を絶やさずニコニコしていました。
本当は辛かったんだろうけど、病気の事を全く語らなかった彼女。弱音も吐かずに私の事や私の家族の事を気にかけてくれていた彼女。

その時ですら本当に前向きで、
「退院したら遊びに行くね。」と言っていた彼女。

私もそれを信じていたので、まさかこんなに早く別れが訪れてしまうとは考えていませんでした。
後悔の念でいっぱいです。もっとああすれば良かった、こうしてあげれば良かったなど、きりがありません。

来世というものが在るとするなら、彼女はきっと選ばれてそちらに行ってしまったのでしょう。
現世では、きっと頑張り過ぎてしまっていたに違いありません。

彼女の冥福、そして、今までの友情に感謝を込めてここに記させていただきました。